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ANA Q-400 胴体着陸 パイロットは100点でしょ

ライブで胴体着陸を見た。
ハラハラしながら見ると言う事はなかったな。
こういうときは現場の記者もしくはアナウンサーの
レポートが的確なのか、的外れなのかそちらのほうが
気になったくらい、機長は100点の胴体着陸だったと思う。
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(写真は毎日)
3月13日、全日空1603便(乗客乗員60人・運行はエアーセントラル)
ボンバルディアDHC8-Q400型の前脚が出ずに
高知空港へ胴体着陸。

Q400は通常油圧で脚の格納ドアを開け、脚を下ろす。
万一、動かない場合は、コックピットの床下にある
ハンドルを手動操作。ハンドルはワイヤーで
車輪格納ドアにつながっていて、ハンドルを引っ張るとロックが
解除され、ドアが自重で開く。
さらに引っ張ると脚が降りる仕組みだそうだ。

ならば、これは故障というより欠陥だね。

正直、飛行機の脚は出ない事もある。でも、油圧がなくても重みで出るようには
なっていなくては。油圧がゼロでも脚は出る(べき)ものだ。
ANA Q-400 胴体着陸 パイロットは100点でしょ_c0015444_20343418.jpg

以前からいろんなトラブルがあったこのQ400
脚に関するのも多かったもんな。

国交省は、全日空グループと日本航空グループの同型機22機
他のDHC8シリーズを合わせた36機についても、
前脚の作動状況を調べるよう耐空性改善通報(TCD)を出した。
航空各社は目視点検を終えるまで飛行できない。
14日の空のダイヤにも一部で影響が出るようだ。

トラブルが発生したのは、伊丹を離陸して約40分後の
午前8時50分ごろ。高知・桂浜上空。
「ノーズギア(前脚)がトラブルの可能性がある」。
同機から空港管制塔に連絡が入った。

9時17分と35分には、高度を150メートルにまで下げ、
管制塔も前脚が出ていないことを確認。

「衝撃を与えれば前脚が出るかもしれない。一度降りて、すぐに急上昇します」。
機内放送で説明。

10時半ごろ、滑走路に出ている主脚を接地させて衝撃を加え、
すぐに高度を上げる、離着陸の訓練では基本の「タッチ・アンド・ゴー」だね。
これはマニュアル通りだ
それでも前脚は出なかった。

この間時間がかかったのは、燃料を消費して機体を軽くした。
万一の発火を考えてのことだったようだ、
Q400には大型ジェットのようにフューエルダンプの装置はない。

10時40分、機長から高知空港に
「着陸する」と連絡。滑走路は閉鎖され、滑走路着地位置付近に
消火剤がまかれた。

5分後、機長は機内放送で
「燃料の残りがあと10分になりました。最悪の場合、胴体着陸します」
「衝撃があるかもしれませんが、訓練を受けているので安心してください」と説明。
冷静な口調だったと乗客は話しているが機長は
「あまり覚えていな」そうだ(14日新聞紙面から)

客室乗務員も冷静だったようだ
「ボールペンや携帯電話は危ないのでポケットから出して下さい」
「ネクタイを緩めて下さい」と呼びつづけたそうだ
30秒前。「歯を食いしばって下さい!」
「おなかに力を入れて下さい!」
「足に力を入れて下さい!」。もうマイクではなく肉声だったようだ。

胴体着陸の衝撃に備え、乗客は全員、衝撃姿勢をとった。

コックピットからは「あと5分で着陸します」「あと2分です」「1分前」とアナウンス。
すばらしい対応だと思う。

10時54分、着地。主脚で接地後エンジンはアイドル
できるだけ機首を上げながら減速。
プロペラはフェザリング状態だったように見えたな。
この次の操縦がすばらしかった。
機首はゆっくり接地、滑走路にこすりつけ、少し火花を散らしながら
数百メートル走って止まった。

この機首を下げる動作がゆっくりだった事。
操縦桿を引きすぎて主脚で長い時間滑走していると、
ガクンと機首が下がる。ある程度のスピードに落ちた段階で
ゆっくり機首を下げたんだと思う。

実際乗客は。「衝撃はあまり感じなかった。そりで滑っている感じだった」
と話す人もいた。

瞬間、機内は歓喜の拍手に包まれたそうだ。

DHC8が高翼式でノーズギアが出ない場合でもプロペラが
接地することがないのも機体の損傷が少なかった要因だった
ただし、主脚が出なかった場合は高翼式の方が安定感は
少なくなるけど・・・

見事胴体着陸を成功させた今里仁機長(36歳)は、
 「決められた通りにやりました」。と着陸後、
会社に冷静に報告したという。

全日空の子会社エアーセントラルの所属。
1996年にエアーセントラルの前身の中日本エアラインサービスで
フォッカー50の副操縦士に
2003年にDHC8の機長になっている。
飛行時間は8000時間で、DHC8には3000時間乗務している。

しかし高知(伊丹ー高知は前便Q400)の人は
「いつかは・・・やはり」と思うほどトラブルが多い機種での事故だった。

エアーセントラルの現場の人は「フォッカー50のほうがいい機体だ」と
改めて思ったのかな?

もう一つ。
事故機から乗客を運んだバス。
提供したのはJALだったようですね、事故の時は助け合いが大切です
ナイスアシストですJAL。

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読売、朝日(右)は大阪からサイテーションを飛ばし空撮
高知空港は滑走路一本しかなく閉鎖されていたし
夕刊締め切り間際だったのでジェットでの取材となったようだ。
共同通信はヘリでの空撮を行っている。読売も午後はヘリで空撮。

13日の夕刊紙面を見ると、
朝日、毎日とも現場に記者はいたが、写真記者はいなかったようで
接地の瞬間はNHKの中継映像を使用。
読売だけは独自の写真。
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南恭士記者の連続写真を掲載。
高知支局の記者なのかな~、写真部のカメラマンは支局には
いないはずだし??望遠レンズでの連続写真。
お見事です。

参考DHC-8-400のトラブルは、胴体延ばし過ぎ・・・きっと
by pressaviation | 2007-03-14 14:01 | 飛行機話 | Comments(0)

新聞、テレビに見る航空取材合戦。報道飛行機たちの活躍を気が向いたときに書くブログ。その他のヒコーキネタ、新北九州空港の話題も。


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