青森朝日放送取材ヘリが行方不明
2008年 07月 08日
7月6日、午前11時45分頃、青森県大間町の大間崎付近の海上で
青森朝日放送がチャーターしたAS350が消息を絶った。
取材機にはパイロット2名にアナウンサー、カメラマンの4人が
乗っていた。
【写真:自社取材機遭難を伝える青森朝日放送ニュースから】
艦内で火災を起こした海上自衛隊の護衛艦を
ヘリで取材するため午前11時すぎに青森空港を離陸、
フライトプランでは午後2時すぎに青森空港に戻る予定だった。
航空局のレーダー解析では午前11時40分頃、
函館から南に約46キロ地点でヘリとみられる機影が消えた。
当時は、霧が立ちこめていていて視界はかなり悪かったようだ。
防波堤で釣りをしていた男性が
「沖合を飛んでいたヘリコプターが見えなくなり、
直後にドカーンという音を聞いた」と話している。
機体は、大阪の小川航空所属のAS350。JA9755
テレビ朝日系の秋田朝日放送、青森朝日放送、山形テレビ
3局が合同で契約している。
【写真:自社取材機遭難を伝える青森朝日放送ニュースから】
パイロットは30年を超えるベテランだったそうだ。
海上では油が浮いているのが確認され、
7日にはカーゴルームのドアと、ヘッドセット、
アナウンサーの身分証が見つかった。
ヘリの中では最新機材に最新装備という印象もある取材ヘリ。
だけど、予算の少ない地方局では系列の隣県複数局で
ヘリを契約する事もよくある。
いわゆる大手ヘリ会社ではなく規模の小さい小川航空と
契約しているテレビ局はこの3局だけ。
機体も報道機にしては今や少数派となった単発機で
リモコン防振ジャイロカメラではないタイプ。
この機体は、緊急時に自動的に信号を発する
ELT(航空機用救命無線機)を機内に設置していなかった。
ELTは墜落時など機体に強い力がかかるなどした際、
信号を発して機体の位置を知らせる。
航空法で沖合いを飛行するヘリには、設置が義務付けられているそうだ。
霧の中で方角を見失い海面を見るため、低空に降りすぎたか。。
何も見えずパイロットがバーティゴに陥ったか。。。
釣り人が異音を聞いたと話しているので、1機しかないエンジン
もしくは駆動系に異常が起きたか。。。。
条件は違うがバーティゴになったと思われる最近のケースでは
2004年12月24日雨が降る夜に佐賀航空のR44が海上に墜落している。
毎回違う場所、違う環境を飛ぶ報道取材機、危険度も高いけど・・・
残念な事故だ。
事故原因はこれから解明・・・
なにより4人の無事を祈りたい。
最近の取材機の事故
1994年11月フジテレビのチャーターヘリが奄美大島で墜落。
1996年4月長野放送とテレビ信州の取材ヘリが長野市で接触して墜落。
2004年3月信越放送の取材ヘリが長野県木曽川河川敷に墜落。
2007年12月オールニッポンヘリコプター所属のNHK取材用ヘリが
整備に向かう途中静岡へリポート近くに墜落。
残念な結果になってしまいました。ご冥福をお祈りしたいと思います。