JAL機千歳であわや!!
2008年 02月 19日
2月16日午前10時33分新千歳空港のB滑走路(3000m)で、
羽田行きJAL502(B747-400/JA8904/乗員乗客446人)が
管制官の許可を得ずに離陸開始。
同じ滑走路上には、着陸したばかりの別の機、
関空発JAL2503(MD-90乗員乗客126人)がいたため、
気がついた管制官が離陸中止を指示、502便は緊急停止した。
両機の距離は約1800メートルだった。
当時千歳は大雪で、A滑走路は除雪がげきてなくて閉鎖
B滑走路は視界が約500メートルで、前方のMD90は見えて
いなかったと思われる。
ブレーキをかけた時の速度は時速110km。
502便の機長(58歳)と副操縦士(32歳)は
「離陸許可が出たと勘違いした」と話しているそうだ。
で、こういうのが後から出てくるのはどうかと思うけど、
COパイの席には副操縦士の社内資格と取るために訓練生が
座っていて、ATCを担当していたそうだ。最初から言えばいいのに。
規則的にも問題ないしOJTなんだから・・・ただこういうのが後から出てくると
クローズアップされちゃうよね。
新聞だって、テレビだって、通信社だって、この記事書いてる人に
航空の知識なんてないんだから。でもそれが大事でもあるんだけどね
一般の人の感覚だし。
地上レーダーを見て、離陸を止めた管制官(千歳は航空自衛隊の基地が
あるので自衛隊が管制業務を行っている)は慌てただろうけど
いい仕事をしましたよ!
ただね、空自の管制官じゃなかったら
「expect immediately takeoff」(直ちに離陸するよう備えよ)
とは言ったかな?
国際的には使うのかも知れないけど、国内のATCじゃなかなか使わないんじゃないかな?
私は、若干の経験しかありませんが・・・
「・・・immediately takeoff」だと混乱は招きやすいとは思うな
まぁでもその後に「滑走路上に着陸機あり」と言っているそうなので
それは右から左に聞き流したってことですよね。その点はコックピトの
怠慢だと言われても仕方がない。
あとね、管制官が停止を呼びかけるのも「Japanair 502 ,stop immediately」
ではなく、「ストップだ!JAL502!!前方にMD90」と日本語でも
よかったんじゃない?確かに外国人パイロットもいるけど、
日本人も乗っているでしょ。国内線なら。
ATCは英語が基本だけど、母国語で話してもいいはず
解んなかったり、難しかったら日本語で聞くもん^ ^;
フランスやロシアは自国の言葉で話しているって言うしね
それによる弊害もあるにはあるんだけど・・・
今回は、滑走路は1本、5分前にMD90が着陸、視界は不良、
10キロ後ろからはこれもJALの513(B747-400)が
アプローチ中(この機はゴーアラウンド)で、
この2機の情報をはき違え「10キロ後方に着陸機」のほうにだけ
意識がいっちゃったんだろうね。さらに502便は出発が50分遅れていたし
防氷剤の効果もぎりぎり。。。焦りがあったのだろうけど。。
あわや大惨事だった。
細かい状況は違うけど
1977年にスペイン領カナリア諸島テネリフェ(ロス・ロデオス)空港での
ジャンボ機衝突事故を思い出した。
KLMとパンナムの747が濃霧の中滑走路上で激突、583人が亡くなった。
原因は管制官との交信の聞き違い、思い違いなどだった。
この事故の時も、パイロットは遅れや気象条件、労働時間の規則など
様々な焦りがあったとされている。
事故にならなかったのはよかった。。
何でも“ラジャ”ですませるのではなくしっかり復唱しなきゃね、
復唱も義務ではないけど、基本に戻って・・・
かくいう私も今日、仕事で大ちょんぼをしましたが
私の仕事はあまり生命に影響は与えないけど・・・
【写真は本文とは、あまり、関係ありません】
見ていると、確かにヒヤヒヤさせられますけどね。
今回はパイロットに落ち度があるのは間違いないですが、事故防止は双方の努力が必要ですね。